Plural Sector

プルーラルセクター(plural sector)は、産学官民が相互に連携するエコシステムとしてのFCAJ のコンセプトです。

ここでいうプルーラル(plural)とは、複数の部門にまたがるという意味で、「官(public)」「民(private)」「第三セクター(semi-public)」のいずれでもない、これら異なった社会システムや組織を繋ぐ機能を持った「社会x経済セクター」として位置づけられます。

SDGsなどへの関心を見るまでもなく、21世紀の私たちに求められているのは、環境や都市、社会のウェルビーイングなどの社会起点のオープンイノベーションです。また企業には、単なるモノづくりではなく、エコシステムによる価値共創が不可欠となっています。これらは一つの企業や大学だけでは対処できないのは明らかです。そのためには社会と経済を繋いでいく、開かれかつプログラムされた「場」と、それを支える顔の見えるネットワークの場が求められます。 それがフューチャーセンター®︎、イノベーションセンター、リビングラボのような場です。FCAJは、このような場を支援する「プルーラルセクター」として、今後の新市場・産業の創造や新しい社会・経済システムの創出に貢献できればと考えています 。

参考:

H.ミンツバーグ(2015)は、資本主義と社会主義の二項対立から脱するためには、企業でも政府でもない「第三の柱」、つまり「政府や投資家に所有されていないすべての団体」によるセクター(ミンツバーグは「政府セクター(Public Sector)」「民間セクター(Private Sector)」と対比して「多元的セクター(Plural Sector)」と呼んでいる)を形成し、社会がバランスを回復するためには、この3つのセクターすべてが力をもつ必要があると述べています。

Henry Mintzberg on the 'plural sector'.