【開催報告】EMICフォーラム2023「これからのイノベーション経営と場」を開催しました

8月22日にNTT西日本のオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」にて、EMICフォーラムを、リアル会場とオンライン配信のハイブリッドで開催し、合計150名が参加しました。リアル会場には約80名が集まり、現地ツアーやディスカッション、交流会などを行いました。

イノベーションの「場」づくりをリードしてきた経営層によるイノベーション経営と場の重要性、ならびに場の推進者における運営の工夫や今後の展望など、2つのパネルディスカッションを柱に進行しました。

■フォーラムの構成

(敬称略)

(1)オープニング

(2)QUINTBRIDGEのご紹介 

- 浮田 昭夫(NTT西日本 イノベーション戦略室 事業開発担当シニアマネジャー)

(3)キーノート「未来志向の構想に基づくオープンイノベーション」

- 紺野 登(FCAJファウンダー)

(4)パネルディスカッション1「イノベーション経営と場」

- 白波瀬 章(NTT西日本 執行役員 技術革新部長)

- 河原 克己(ダイキン工業 執行役員)

- MC 仙石 太郎(リワイヤード 代表、FCAJ理事)

(5)パネルディスカッション2「EMICオーディット(場の診断)で得られた示唆と今後の展望」

- 市橋 直樹(NTT西日本 イノベーション戦略室長)

- 三浦 洋介(コクヨ イノベーションセンター センター長)

- 小島 健嗣(design MeME 代表、FCAJ マイスター)

- MC 齋藤 敦子(コクヨ 主幹研究員、FCAJ理事)

(6)クロージング

冒頭のQUINTBRIDGE活動紹介では、オープンからわずか16ヶ月で個人会員1.3万人、法人会員900組織以上のネットワークを形成し500回以上のイベント開催というソフト面やフロア構成というハード面(1F「新たな出会い」、2F「アイデア実現」、3F「事業拡大」)が紹介されました。続いて、FCAJ紺野 理事兼ファウンダーからは、現業からオープンイノベーション経済へ橋渡しするトランジションマネジメント(移行期事業経営)における知識創造経営や場の重要性が語られました。

 

 パネル1では、「イノベーション経営と場」をテーマに、NTT西日本やダイキン工業のオープンイノベーション(OI)を進める目的や、成果、人材育成などをディスカッションしました。OIを進める背景として、異分野への進出やスピード感の不足などがあげられるなか、場の役割・成果としては、社外のメンバーとの本気で議論し合えるような信頼関係構築や、社会課題へチャレンジする人材ネットワークの形成など非財務的な尺度が紹介されました。

今後は、極めて問題意識の高い人たちが集まり真剣勝負してもらえるか、そういう人材が行動に移せるための学びの機会や試せる機会を提供することの重要性が確認されました。

 パネル2では、NTT西日本やコクヨで実際に場からイノベーションを生み出す活動の推進者によるディスカッションを行いました。場の利用者やステークホルダーとの信頼関係を培い、経営層を巻き込みながら、実践から学ぶというプロセスを仕組み化することへのチャレンジが語られました。そのためにも、場づくりは必要条件であり、十分条件としては、いかに情熱持った人材を集めるか、コンテンツなどのソフト面を場がいかに支援できるかが重要であることが議論されました。

 パネルディスカッションではリアルとオンラインの参加者も交えたムードメーター(問に対する個人の感覚を可視化)も行ったところ、参加者の9割以上が場の運営に課題を抱えており、経営層または社員の巻き込みのどちらも重要性を感じていました。

会場では、FCAJの研究成果をまとめたWISEPLACE最新号Vol.5「EMIC~オープンイノベーションを加速する共創の場の評価モデル~」を参照しながら聞かれていた方々も多数いました。

フォーラム終了後は、FCAJメンバーとQUINTBRIDGE会員間とのネットワーキングセッションも行われました。

■QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)とは

NTT西日本が運営するオープンイノベーション施設です。企業・スタートアップ・自治体・大学などが自由に交流し、それぞれの思いやアセットを共有しながら共創を進め、実社会での活用をめざします。

会員とともに社会課題の解決と未来社会の創造を成し遂げ、ウェルビーイングが実感できる社会を実現することを目的としています。